日々是好日

都落ちしてる中の人の思考

富山型デイサービスってなに?

私は介護の仕事をしている。日頃はショートステイ(短期入所生活介護)で高齢者と共に過ごして働いている。

 

地域共生ホーム全国セミナーがあり、富山を訪れたのだが何故、いったのかというと富山型デイサービスをこの目でみたかったからだ。

 

富山型デイサービスというものはそもそもなんなのかというと

「お年寄りも、障がいのある人も、子どももみんな一緒。誰もが利用できて誰のことも排除しない」という「地域共生ケア」の考え方だ。地域には色々な人がいるじゃないか、何故縦割りで高齢者、障がい者、子どもと分けなければならないのか。

富山で惣万佳代子さんという元看護師が富山赤十字病院を退職して仲間の看護師と3人で始めたのが始まりだ。

それが、現在も富山県富岡市にある「このゆびとーまれ」だ。

 

その実践が富山県に広がり、たくさんの富山型デイサービスできた。

 

私は、福祉に関わる中でなぜ障がい者高齢者になった時、介護保険が優先されるのかわからなかった。障がい者高齢になったからと今までいた施設から介護施設に行かねばならないなど場所まで変わるのだ。何故?一緒じゃダメなのか?

例えば、家族が保育が必要な子どもは保育園に、精神を患っている娘ははデイケアに介護が必要なおじいちゃんは介護施設に。

それぞれ在宅の家族の負担は増えます。これを一挙に解決したのが富山型だ。

富山型デイサービスなら、全員が同じ場所で過ごすことができるのだ。

 

私はこのサービスを知った時には貪るように実践の本を買い漁って片っ端から読んだ。

読めば読むほど、福祉の矛盾が解決して行くのだ。なんて素晴らしい。私は、富山に行きたい。そればかりを思っていた。就職も実は、保育も高齢も障がいのサービスを行なっているところに就職を決めた。しかし、富山型とはかけ離れてはいたのだが。そして、自分でやってみたいと思うようになっていた。

 

2018年4月「共生型サービス」としてこの富山型モデルが全国で始まる。

それは、国で決まったことなのだが運用は市町村に委ねられるであろう。今、実務者ベースで勉強会など行われている。

 

富山でも今までは基準該当で行なっていたものを基準該当ではなく共生型の指定を受けて報酬額も指定と同じようにできるように勧められている。

 

共生型のイメージとしては(介護保険事業所を障害児者が利用する場合)

I

・通常の介護保険と障がい福祉の指定を両方受ける

・一体的運用(現在も通知、ガイドライン等により実施)

介護保険と障がい福祉の両方の制度の基準を満たす

 

・通常の介護保険の指定を受けている事業所が、障がい福祉(共生型)の指定を受ける

・一体的運用

介護保険の制度の基準を満たすが、サービスの質や専門性に配慮しプラスα(サービス管理責任者、保育士・児童指導員の資格職の配置)

 

・通常の介護保険の指定を受けている事業者が、障がい福祉(共生型)の指定を受ける

・一体的運用

介護保険の制度の基準を満たすのみ(原稿の障がいの基準該当サービスと同じ)

 

Iでは両方の指定は難しく、場所も仕切ったり入り口が別になったりする可能性があるため、Ⅱを目指すと惣万さんはおっしゃっていた。Ⅲであると報酬額が下がるので基準該当ではない形にしたいと言っておられた。

 

共生型をどう進めるのかは市町村で違いが出てくるであろうと思う。しかし、ぜひ富山型の良さを目にして勉強してよりよい地域共生に役立ててほしいと思うのである。

 

 

富山からはじまった共生ケア―お年寄りも子どもも障害者もいっしょ (はじめよう!シリーズ (4))

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笑顔の大家族このゆびとーまれ―「富山型」デイサービスの日々

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